アセスメントツール
育児ストレスを測定し迅速・的確な援助へ

Parenting Stress Index
■原著者 Richard R. Abidin(Virginia大学名誉教授)
■著 者 兼松百合子(岩手県立大学教授)/荒木暁子(千葉大学助教授)/奈良間美保(名古屋大学教授)/
白畑範子(岩手県立大学教授)/丸光惠(東京医科歯科大学助教授)/荒屋敷亮子(前岩手県立大学助手)
(肩書は開発当時のものです。)

| ●1名分料金 315円 質問・回答用紙、プロフィール用紙 ●手引 2,100円 [いずれも消費税込] |
PSI は、ストレス状態にある親子関係の早期発見や、ストレス軽減のための早期介入等に役立ちます。
●育児相談、スクリーニング、診断、治療計画、研究用具に。
Abidin博士により米国で開発されたParenting Stress Index(PSI)は、親の育児ストレスを測定する最も有効なツールとして、世界25カ国語以上に翻訳され、研究・臨床のさまざまな場面で活用されています。専門家、関係者から永らく発行を待たれていたこの日本版 PSI は、原版を単に翻訳した日本語版でなく、日本の親に使用できるものとして再開発されました。
PSI は、親の育児ストレス、親子や家族の問題などをアセスメントし、援助の必要なケースを早期に発見したり、これらの問題への援助やプログラムの効果を知ることに役立ちますので、育児相談、スクリーニング、診断、治療計画、研究用具に有効です。
また、親自身にとっても、自らの育児を再認識し、ストレスを緩和するきっかけとすることができます。
対象
保健所、保健センター、育児支援機関、教育・研究機関、医療機関、育児中の母親(本人)等
被検者(実施対象)
育児中の母親
構成と内容
PSI は78の質問から構成されており、各項目について、「まったく違う」~「まったくそのとおり」の5段階で答える形式になっています。
検査時間は20~30分程度です。
PSI の78項目は、子どもの特徴と親の特徴の2つの側面から構成されています。
- <子どもの側面>は、38項目からなる7つの下位尺度
C1 親を喜ばせる反応が少ない
C2 子どもの機嫌の悪さ
C3 子どもが期待どおりにいかない
C4 子どもの気が散りやすい/多動
C5 親につきまとう/人に慣れにくい
C6 子どもに問題を感じる
C7 刺激に敏感に反応する/ものに慣れにくい - <親の側面>は40項目からなる8つの下位尺度
P1 親役割によって生じる規制
P2 社会的孤立
P3 夫との関係
P4 親としての有能さ
P5 抑うつ・罪悪感
P6 退院後の気落ち
P7 子どもに愛着を感じにくい
P8 健康状態

集計
「プロフィール用紙」の『PSI 集計用紙』に各項目の点数を記入します。上段が「子どもの特徴」に関するストレスの7つの下位尺度、下段が「親自身」に関するストレスの8つの下位尺度となります。

プロフィール作成とアセスメント
集計結果より『パーセンタイル表』に得点をプロットし、プロフィールを作成します。プロットされた線の形状をもとに、対象者の育児ストレスの特徴をアセスメントします。
パーセンタイル表の上半分の線が右側に突起している場合は、子どもの特徴に関するストレスが高く、下半分の線が右側に突起している場合は、親自身に関するストレスが高いことを示します。

実践での活用
PSI の目的は、親に対して指導とサポートの必要性を明確にすること、潜在的な機能不全の親子関係を明らかにすること、情緒的、身体の発達的問題を起こすリスクにある子どもを明らかにすることにあります。PSI は治療計画ツールや評価手段の方法として、また個人あるいは集団介入に有効です。各側面と下位尺度を用いて、問題の領域を明確にすること、親にとってストレスフルにならないように問題に対する介入を明確にすること等を含む治療計画に使用できます。
- 大きな集団からのスクリーニングやトリアージ*として
- 最初の入り口評価(測定用具の取り入れ)として
- 個人個人の臨床評価の一部として
* 緊急度や重症度の判定を中心とした治療優先順位の選別。
PSI の理論モデル
原版 PSI の構造は、機能不全を起こしている育児状況への決定要因に関する理論モデルに基づいています。
親が経験するストレスは、突出した子どもの特徴や親の特徴および親役割に関連する状況因子が直接的に影響しています。


「PSI を推薦します」
名古屋大学医学部保健学科
浅野みどり教授
超少子高齢化の日本で、今、子育て中の母親たちには、“物質的に恵まれた”“情報社会”という現代だからこそ抱える育児ストレスがあります。本ツールと手引書は、米国のAbidin博士により開発されたParenting Stress Indexを、兼松百合子教授を中心に研究・検証を重ねてこられた集大成であり、日本の文化に適合し、信頼性・妥当性を備えた精度の高い育児ストレス尺度です。ストレスレベルだけでなく、どの領域に由来するストレスかを詳細にアセスメントできるため、危機的状況への効果的な介入、予防的介入の焦点化には不可欠です。健常児だけでなく、慢性疾患や発達障害をもつ子どもにも用いられ、その特徴を知ることができます。また、育児ストレスショートフォームを活用した育児相談の援助マニュアルを備えていることも魅力です。
