キャリアカウンセリングの様々な現場で
活躍される方々によるリレーコラム。

「職業安定広報」2007年5月号より

女性と仕事の未来館
キャリアカウンセラー
岩舩展子

 

 人間の赤ちゃんが言葉を覚えるとき、おそらく「ママ」「パパ」の次ぐらいに覚えるのが挨拶の言葉“バイバイ”や“こんにちは”ではないでしょうか? よその方が帰る時、お母さんは赤ちゃんの手を握って、バイバイという言葉とともに手を振ります。こうして覚えた挨拶が、“三つ子の魂百まで”とはならずに、いつしか忘れ去られ、「近ごろの若者は挨拶をしない」とか「上司が“おはよう”と言っても知らん顔している」などと言われ始めて久しくなります。もちろん、礼儀正しく挨拶ができる若者がたくさんいることも知っていますが。キャリア形成は、人との関係抜きには進みません。仮に、人との会話抜きで仕事ができる職場環境でも、朝の挨拶「おはようございます」、仕事が終わって「お疲れさま」はきちんと言えることが大事です。

企業が始めた挨拶運動

 4〜5年ぐらい前から、挨拶運動を展開している企業が出てきました。情報化社会は、産業革命に続く大きな社会変革です。職場も、学校も、家庭もその渦の中にいます。自分の席について、パソコンのスイッチを入れれば仕事ができます。コンピューターによってもたらされた、早く、大量の情報処理ができる利点は、反面、人間関係の希薄という産物をもたらしました。だから、意識をして挨拶をしよう!ということでしょう。どんなに職場が機械化されても、人抜きには仕事は成り立ちません。仕事と仕事を結ぶのは「人」です。人と人の関係は暖かいものでありたいですね。

挨拶の意味

 挨拶には、いろいろな意味が込められています。朝の「おはよう」は儀式だけでなく、「今日もよろしく」であり、「今日もがんばろう」です。ですから、本来は挨拶は言葉だけでなく、気持ちを含めて交し合うものです。そして、軽く頭を下げる動作を伴います。小さい子供に「こんにちは」をさせる時、お母さんは頭を後ろから前に押すようにして身体で覚えさせたものです。最近は挨拶も機械化してきました。飲食店などで、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と人の出入りの度に、顔も見ずに言うのは人間のロボット化現象かと思います。

人間関係はキャリア形成の礎

 人事異動が一番多い4月から1カ月過ぎました。これからキャリアを積んでいこうという方、キャリアを維持していく時期の方、それぞれ、良好な人間関係があってこそ、キャリアアップができます。同時に、少し慣れてほっとした時、「5月病」が忍び寄ってくるかも知れませんから、体調にはくれぐれもご用心ください。

 
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