キャリアカウンセリングの様々な現場で
活躍される方々によるリレーコラム。

「職業安定広報」2007年9月号より

(財)産業雇用安定センター
東京事務所
キャリアカウンセラー兼
コーディネーター
柳 玉江

 

 中高年齢者が転職をスムーズに進めるためには次のようなことが重要です。

1.職務経験の再確認をする
 どの年代についても言えることですが、特に中高年齢者においては、経験を活かしての転職が中心になります。経験の中でも、「即戦力としてできることは何か」を明確にすることが求められます。最近では応募書類に職務経歴書をつけることが一般的になってきました。
 応募書類としての職務経歴書は先方に自分のできること(能力・経験)を知ってもらうためのものですが、これを作成する作業をすることで、自分がどのような職務についていた時に力を発揮できたか、得意なことは何なのかを再確認することができるのです。
 1つの会社に長く勤務してきた方に多いのですが、「仕事だからできて当然」と思い、「当たり前のことをやってきたので、できるとか、得意とかは考えたことがありません」と言われるのです。ここにキャリア・カウンセリングの必要性が出てきます。キャリア・カウンセラーの腕の見せどころというわけです。しっかり傾聴しながら、経歴を確認しつつ、その時、どのようなことがあったか、どのような工夫・努力によって、どのように乗り切ったかをお聴きしていきます。
 信頼関係の中、心を開いてお話しいただくことで、その時の様子がありありと表現されてきます。そこに、相談に来られた方の経験、価値観、能力が浮き彫りになってくるのです。私は思わず、「素晴らしい仕事をされたのですね」と言ってしまうこともあります。そんな時、涙ぐんでしまわれた男性の方もいらっしゃいました。相談に来られる中高年齢者の方のほとんどは、誠心誠意、青春時代を仕事に打ち込んでこられた方なのです。

2.心を開いて話をし、情報を得る
 職務経験の再確認作業のとき、カウンセラーに心を開いて話すことで、等身大の自分を再確認し、会社にアピールできる職務経歴書を作成することができます。
 心を開いてといっても、なかなかそうできる人は多くはありません。ポイントはカウンセラーとの信頼関係です。信頼関係が構築されると、安心し、心を開いて話をすることができるのです。信頼関係を構築するのはカウンセラーの仕事ですが、相談に来る側としても、歩み寄る、前向きな姿勢があると、より効率的になるのかもしれません。
 このことは、情報を得るということにも有効です。転職活動という不慣れなフィールドで活動するのですから、今までの考え方に固執することなく、心を開いてカウンセラーの情報を取り入れることが大切です。また、これにより新鮮で豊富な情報の中から、自分にとって価値ある情報を取捨選択していくことができます。

3.通信手段を整備する
 最近では、求人の案内、面接の連絡、日時の調整等に、携帯電話やE-mailは欠かせません。これらの整備がなされていないと、重要な連絡が滞りがちになり、チャンスを逃してしまうことにもなりかねません。転職活動は縁とか運とかという要素も多分にあるように思います。まずは、通信手段の整備が必要です。

 
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