キャリアカウンセリングの様々な現場で
活躍される方々によるリレーコラム。

「職業安定広報」2007年10月号より

(財)産業雇用安定センター
東京事務所
キャリアカウンセラー兼
コーディネーター
柳 玉江

 

 職業相談や情報提供をするうえで、次のようなことに留意しています。

1 相手を尊重する
 中高年齢者の方は、社会の中で様々な経験をされ、ご苦労されてきた方ばかりです。
 そのことを念頭に置き、相手の方を尊重する姿勢で臨みます。
(1) 挨拶
 まず、はじめてお会いするときの挨拶。第1回目でも申しましたが、尊重の気持ちを込めて、丁寧であたたかい態度でいたします。初めの対応で相手の方が、こちらに持たれる印象が随分違ってきます。その後の相談がスムーズにいくのはいうまでもありません。
(2)言葉遣い
 相手を尊重する言葉遣いを心がけていますが、丁寧であればよいということでなく、  相手の方に合わせて使っていく必要もあります。時にはざっくばらんな言葉遣いの方が親しみがもて、信頼感を持っていただけるということもあります。先日も、50歳代後半の男性の方に、つい、「そう、そうなのよねー」と砕けた調子で言ってしまい、「あっ」と口を押さえ、「失礼いたしました」と謝ったところ、ニコニコされて、「いえいえ、なんか、ほっとしましたよ。話しやすい感じになりました」と言っていただき、恐縮してしまいました。

2 話をしっかり聴く
 話しやすい雰囲気ができたところで、現在の仕事内容などを聴いていきます。
(1) 話の内容の他に背景にある気持ちを受けとめる
現在の仕事、過去携わっていた仕事の内容などを話していただく時、高揚感を持って話す人もあれば、敗北感を滲ませながら話す方もいます。そこにその方の職業適性や、問題点が見え隠れすることも多く、その後の適切な相談や適職の紹介につながることもよくあります。話の内容を聴きつつ、言葉の抑揚や、態度など、ノンバーバルな部分もしっかりキャッチして聴くことが大切です。
(2) 話の腰を折らずに最後まで聴く
話の途中で相手の言いたいことが分かってしまうことがあります。しかし、本当に分かったのでしょうか。話していない先のことが分かったとしたら自分の推測であり、思い込みでもあります。もちろん、合っている場合もありますが、ここは焦らずに、しっかりと最後まで聴くことが大切です。相手の方は最後まで聴いて貰えたという満足感と、自分自身から発せられた言葉で自分の考えを再認識できるのです。話の腰を折らずに、しっかり聴く事は多少時間がかかるように見えますが、結果からみると実は一番の近道になることが多いのです。

3 相手が決定権を持つ
 アドバイスをするときは、複数の提案ができるようにし、相手が選べるようにします。
 相手は自分で選択・決定したことになり、主体性を認識し、結果の責任も自覚できることになります。

4 情報は有用で新鮮なものを提供する
 相手にとって有用で新鮮な情報をセレクトして提供します。新鮮な情報の収集にインターネットは欠かせません。相手にとって何が有用で、必要なものかはしっかりと聴くことで把握するようにしています。応募を考えている会社の情報など、役立つと思われるものをインターネットから選び出し、情報提供するようにしています。

 
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