キャリアカウンセリングの様々な現場で
活躍される方々によるリレーコラム。

「職業安定広報」2008年4月号より

こころとキャリアの
カウンセリングオフィス
結(ゆう)代表
山本公子

 

プロローグ
私は現在、こころとキャリアの専門家として、若者から中高年まで、また個人と組織の双方を対象に活動しています。キャリアカウンセリングでは、主人公である来談者が、その人らしく、自律的に職業人生(キャリア)を歩めるように、手助けをしていきます。
私のキャリアの出発点は旧労働省です。ハローワークも短期間経験しました。その後大阪府に転じ、長く携わったのが、職業カウンセリングセンターでの『職業適性相談』でした。そこはまさにキャリアカウンセリングの現場で、中学生から中高年まで多くの方が相談に来られます。そこで相談の1つのツールとして、職業適性検査を活用するようになりました。

ある来談者の例
ここで、印象に残った事例をご紹介しましょう。母子家庭のお母さんからの相談で、学歴は高校中退でした。製造、掃除等、これまでの職歴を活かせる仕事を探していましたが、本来それほどやりたい仕事ではなかったそうで、あまり意欲がみられませんでした。
そこで適性検査を受けてもらうと、案外事務の能力が高いことがわかりました。新たな分野への可能性が開けたためか、ご本人に意欲的な取り組みがみられるようになりました。その後パソコン講座を受け、時間はかかりましたが事務職で就職することができ、うまくいっているとのことです。
この例は、学歴や職歴に基づいた仕事の探し方しかできなかった人が、適性検査を受けることにより、自分でも気付かなかった適性がわかり、可能性が開花した例です。適性検査などのアセスメントツールを使うことによって、既成の発想を超えた支援ができた例は少なくありません。
そこで、これから4回にわたって、適性検査についていろいろな話題を紹介していきます。

職業適性と自己理解
職業は人生の幸せにも関わります。おそらくどなたでも、職業や進路を選ぶときには、自分に合っているか、適応できそうかといった、広い意味の「適性」を考えるでしょう。
キャリアカウンセリングは一般に、適性の把握、職務の棚卸しといった「自己理解」から始まります。その内容は、1人ずつ違いますが、およそ次のような面を見ていきます。

囲み箇所のうち下線部分についてはアセスメントツールがあります。具体的には能力適性検査、職業興味検査、性格検査、価値観チェックリストなどです。
キャリアカウンセリングの中で適性検査を上手に用いると、客観的な自己理解が深まり、方向性が示されて意欲が高まります。そして今回の事例で紹介したような様々な効果が得られます。しかし適性検査には限界もあります。効果を上げるためには、あくまでも結果を過信することなく、適切な分析等を行いつつ活用することが必要といえます。
次回から、主な適性検査を紹介しながら、相談でどのように使っていくのか、注意するポイント等を、事例を交えつつお伝えしていきたいと思います。

 
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