キャリアカウンセリングの様々な現場で
活躍される方々によるリレーコラム。

「職業研究」2019年No.3より

専門学校日本デザイナー学院/日本写真芸術専門学校 学生課キャリアセンター
2級キャリアコンサルティング技能士
国家資格キャリアコンサルタント

佐藤寿子



■留学生の就職活動
 昨今、外国人の採用はニュースでも話題になりますが、本校でも留学生向けの求人は多くなっています。留学生にとって就職活動は、日本独特の職業観を初めて知る機会であり、留学生活の大きなイベントの一つとも言えるのではないでしょうか。

■文章構成の例として「自己PR」
 留学生は自己PRを、日本語の習熟度などといった結果について書かなければならないと思うような傾向が見られます。これは企業が求めている内容と異なります。能力や姿勢など、学生生活を通じてどう身につけてきたのかといったプロセスを踏まえて書いていくことが大切です。
 また、自分自身をありのままに出すことに抵抗がある学生には、その必要性を説明しながら、ライフラインチャートを書き、これまでの歩みを振り返るよう勧めます。その中で自身の成長に気づきを促し、自己PRの作成につなげていきます。
 これらは、留学生に限らず日本人学生にも必要な能力です。実技が多い専門学校の特性上、文章を書くことなど、伝え方の重要性を意識した支援をしています。文章の捉え方などについては、キャリアコンサルタントでもある日本語講師の先生から助言をいただきながら、支援に活かしています。
 留学生の「好きを実現するために来日した」、「技術を習得して成長したい」といった熱意に心を動かされることや、日本の素晴らしさにあらためて触れる機会も多いので、支援するたびに相互理解の大切さに気づくきっかけをもらっています。

■Bさんの場合
 Bさんは在学中に様々な経験を重ね、ファッション・フォトグラファーになりたいと強く願っている留学生でした。
 学内の撮影サークルに参加し、企業や他分野の専門学校と共同制作をする機会にも恵まれました。チームで力を合わせて作品を作り上げることに魅了され、学びを深めていく中で、目指したい目標を見つけました。彼女は控え目な性格でありながら、街中で知らない人に声を掛けて撮影に挑戦するなど、周囲を巻き込む力を身につけていきました。
 就職活動当初、第一志望の企業に落ちてショックを受けていましたが、すぐに気持ちを切り替えて次の選考に向けて対策を練り直しました。目標とするフォトグラファーのたどった道を参考に今やるべきことを逆算し、研究を深めました。加えて、自らを客観視し、「順序立てて話すこと」といった苦手なことを克服するよう努力しました。理想とするクリエイターに近づくために、私は求められる態度や話し方などを伝えながら、一緒に対策を考えました。
 その結果、雑誌の撮影を多く手掛けている撮影スタジオのスタッフとして内定を獲得。貪欲に就職活動を続けた中で手にした結果でした。

■内定後のフォローも
 コマーシャル・フォトグラファーになる道は、撮影スタジオ勤務等を経て独立や、個人フォトグラファーのアシスタントとして師事後、独立などの方法があります。
 ただし、留学生は就労ビザが必須となりますので、学んだことを活かせる業務で企業に採用していただく必要があります。学生によって持てるビザの種類も異なりますので、個別で対応にあたっています。この1年で、新しい就労ビザ制度の開始に伴い、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に対する審査の厳格化を感じています。
 現状を把握し、関係機関と連携を取りながら、企業と学生の架け橋になることを心掛けています。日本が誇るカルチャー分野での活躍を熱望する留学生の夢を実現するために、引き続き邁進していきます。

 
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