障害者が職場で働く要件に対する準備度を把握するために
障害者用 就職レディネス・チェックリスト
Employment Readiness Checklist for the Disabled
障害を持った人が一般企業に就職して、職場での役割機能を果たしながら適応してゆく際に必要となる心理的・行動的条件をチェックし、職場で働くための準備がどの程度まで整っているかを確認します。
適切な職業相談や職業指導を進めるための手がかりを得ることができます。
種類 | 障害者用就職準備度チェックリスト |
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目的 | 一般企業に就職するのに必要とされる心理的・行動的条件がどこまで整っているか把握する |
販売対象 | 就労移行支援事業所、特別支援学校 |
実施対象 | 記入対象者: 障害者 記入者:記入の対象となる障害者の特徴を、観察や面接・検査などを通して知ることができる専門職員 |
場面 | 職業指導、職業相談 |
形式 | ペーパー版 |
所要時間 | 記入に制限時間は設けていません。実施時期についても限定されません。 |
- 1) 基本的に学校等教育機関、職業訓練・就業支援機関等への販売となります。個人の方については、キャリア・コンサルタント等の資格をお持ちの方に限りご購入いただけます。その際は購入申請を行っていただき、当会で確認の上での販売となりますので、まずはお問い合わせください。
- 2) アセスメント・ツールの購入には会員登録が必要です。ご希望商品の「カートに入れる」ボタンをクリック後に表示される画面より、新規会員登録あるいはログインしてください。
検査の実施について
「障害者用就職レディネス・チェックリスト(ERCD)」は、一般企業への就職や職場適応で要求される心理的・行動条件がどこまで整っているかを知りたい障害者についてチェックします。記入は、対象となる障害者の特徴を観察や面接・検査などを通して知ることができる専門職員が行います。複数人で記入することも可能です。
構成と内容
チェックリスト、結果記録票、採点盤を使用して結果を出します。結果記録票と採点盤は、活用の仕方によっては必要としない場合があります。
チェックリスト
9領域44項目で構成されています。どのような仕事の種類や内容であっても、人が就職して働く場合に、職場の物理的・心理的・社会的環境に適応して成果を上げていくのに必要となる心理的・行動的条件を、心要最小限度の範囲で網羅しています。
チェックリストの9領域
Ⅰ 一般的属性 | Ⅱ 就業への意欲 | Ⅲ 職業生活の維持 |
Ⅳ 移動 | Ⅴ 社会生活や課題の遂行 | Ⅵ 手の機能 |
Ⅶ 姿勢や持久力 | Ⅷ 情報の受容と伝達 | Ⅸ 理解と学習能力 |
結果記録票(チェックリストに付属)
チェックリストに記入した結果を転記欄に書き写し、採点盤を用いて結果を整理、プロフィールを作成し、就職レディネス尺度の得点を得ます。
プロフィールは、心理的・行動的条件のどの側面で準備が整っているかを視覚的にとらえることができます。
就職レディネス尺度は、それらの条件を総合した場合の就職の準備性の程度を知ることができます。
採点盤(手引に付属)
採点盤は障害別に6種類あります。医師の診断をもとにした障害の種類に応じて使い分けます。
採点盤の種類
知的障害者用 | 運動機能障害者用 | 上・下肢切断者用 |
視覚障害者用 | 聴覚障害者用 | その他の障害者用 |
特色
- 項目は、障害者の職業能力の評価・職業紹介・適応指導などを進める場合に必要とされる情報を、必要最小限度の範囲で網羅しています。
- 項目の評定段階は短文で記述してあることから、記入者とこれを受け取った人がその内容を相互に共通して理解することができます。また、「手引付録1.判断基準と関連情報や検討内容」を参考にすることで、評定段階の判断基準についての目安を知ることができます。
- 項目と関連して収集することが望ましい情報や、項目ごとの結果の活用についての目安を、「手引付録1.判断基準と関連情報や検討内容」から知ることができます。
- どのような障害の種類でも同じ項目と評定段階を用いるので、使い慣れるに従って、評定の判断基準に精通することができます。
- 結果記録票を用いて結果を整理すれば、障害者の心理的・行動的特徴をプロフィールや就職レディネス尺度で明らかにすることができます。
- プロフィールや就職レディネス尺度は、障害の種類別に求めることができるので、障害の特性に応じた適切な結果を得ることができます。
利用の仕方
1.情報収集の手引として
就職のための準備がどこまで整っているかを明らかにし、その後の職業生活の継続に必要と考えられる心理的・行動的条件について、その範囲と内容を大まかではあるが的確に知るための視点を提供します。チェックリストに記入の対象となる障害者との面接や検査場面などで、情報を系統的に収集したり、関係機関から情報を得る場合などに、手引として利用できます。
2.情報交換の資料として
職業能力の評価や職業紹介などを進めるのに必要な情報を、相手に誤解を生じさせることなく提供したり、正確に受け取ることができます。対象となる障害者の就職や職業相談に直接たずさわる担当者に限らず、学校・病院・施設などの機関に所属しているすべての担当者との間で、情報を媒介する資料として利用できます。
3.評価の資料として
職業能力の評価を進める過程の中で、就職するための準備がどの程度まで整っているかを明らかにすることができます。事前に記入した結果があれば、面接での焦点の絞り込みや聞いたことの確認に利用したり、より詳細な評価を進めるための検査バッテリーの構成などに利用できます。また、検査場面での行動特徴を把握したり、諸検査の結果や収集した情報を整理して、評価の結果を総合化することに利用できます。
4.職業指導の資料として
対象となる障害者の特徴を知って、職業的自立を考えるうえで留意すべき点を明らかにできます。それによって、処遇の方向や、教育・訓練・ケースワークなどの方針を検討したり、そのための実際的なカリキュラムを編成するときの目標の設定に利用できます。
対象者の職業に対する意欲や関心を引き出し、一般的な視野に立って自己の能力を再確認させながら、就職のための要件について自覚をうながすことに利用できます。また、対象者や保護者あるいは担当者が、相互に問題点を確認するための材料として利用できます。
職業紹介や職場適応を進めるときに、予定した職場の諸環境について配慮を加えることが望ましい条件を明らかにします。
5.指導経過の記録として
職業指導や職業準備のための訓練の過程で繰り返して記入することで、職業人として必要な諸要件がどの程度まで整ってきたかの経過記録としたり、その効果を確認することができます。
6.データ収集として
対象者の職業評価や指導のいろいろな場面で収集される多種多様で広範囲な情報について、これまでは数量化になじまなかった多くの部分を、数値として体系的に整理して蓄積できます。それによって、必要に応じて各種の統計的処理に利用できます。
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雇用問題研究会 普及促進課
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