Vol.28-2
キャリアカウンセリングの様々な現場で活躍される方々によるリレーコラム。
キャリアコンサルタントの成長を促す主体的行動~インプットとアウトプット~

リカレントキャリアデザインスクール
学校長
堀口恵子
本稿では、養成講座での学びとインターンシップ事業での支援の場で見えてきた、キャリアコンサルタントの成長を促す「3つの主体的行動」について全4回でお伝えしています。
今回は2回目として、「インプットとアウトプット」を取り上げます。
1.養成講座における「インプット」と「アウトプット」
●インプット(学び):相互尊重の場で、経験として学ぶ
養成講座のインプットは、授業参加を通じてキャリアコンサルティングに必要な知識・姿勢・技法を体験的に学ぶことです。講師のレクチャーに加え、受講生同士の対話、グループワーク、ロールプレイと振り返りを重ねて理解を深めます。ここは一方通行の情報提供ではなく、「楽校楽習」の考え方のもと、クラスメイトや講師等が互いのワーク&ライフキャリアを尊重し、学び合うプロセス自体に価値を置く場です。
●アウトプット(実践):学びを実生活で試し、手応えを持ち帰る
アウトプットは、授業で得た学びを仕事や家庭など実生活で試し、手応えと課題を持ち帰る実践です。例えば、面談や1on1 で受容・共感的理解を意識して傾聴し要約して返す、冒頭で意図やゴールを合意して進める、家族との会話でも助言の前に問いかけで整理を手伝う、などが挙げられます。実践後の気づき(うまくいった点/改善点)を次回の授業や振り返りに反映させることで、学びが自分事として定着します。
●インプットとアウトプットの循環:腹落ちと成長を促す反復
インプット(学び)とアウトプット(実践)を反復することが、理解を「腹落ち」させ、姿勢や関わり方を自分のものにする鍵になります。実践で生じた疑問や気づきを授業に持ち帰って再解釈し、次の実践で試す——この循環が相互理解の深化やワーク&ライフの充実にもつながります。卒業生からも「学びを仕事や家庭で実践し、相互の理解が深まった」との声が寄せられています。
2.一般財団法人ACCN主催インターンシップ事業における「インプット」と「アウトプット」
●インプット(学び):実践に向けた準備としての学び
本事業のインプットは、支援に必要な知識・視点・スキルを、勉強会や研修、インターンシップ生同士の対話・ケース検討を通じて体系的に学ぶことです。手法を覚えるだけでなく、「企業担当者の思いと現場背景をどう理解するか」「プロとしてどんな価値提供が求められるか」を自ら問い直しながら、個別面談に備えていきます。
●アウトプット(実践):学びを現場で使い、価値提供につなげる
アウトプットは、学びを現場で活用し、従業員の皆さまへの個別面接等を通じて価値提供につなげる実践です。対象者の個別性を尊重しつつ、状況に合わせて学びをアレンジする「個人支援」と、企業のニーズに応える「企業支援」の両軸を意識して関わります。教科書的な正解ではなく、最適な関わりを考え行動する実践力が問われ、うまくいかない経験も含めて気づきを持ち帰り、次の学びへつなげることが成長の糧になります。
●インプットとアウトプットの循環:ふり返りを次の学びへつなぐ
本事業では、インプット(学び) →アウトプット(実践) →ふり返り(スーパービジョン/フィードバック) →次のインプット、という往還を繰り返し、実践力の定着と専門性の向上を図ります。実践で得た手応えや課題を再解釈することで、現場で通用する判断力と対応力が磨かれていきます。
この循環を通じて、インターンシップ生が主体的に成長し、企業と個人の双方に一貫した価値を発揮できるキャリアコンサルタントへ育つことを目指します。
養成講座でもインターンシップ事業でも、多くのキャリアコンサルタントが、第1回で扱った「主体的につながる(ネットワーク)」を活用しながら、インプットとアウトプットを循環して成長機会をつくり、専門職としての価値を高めていることがわかります。