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Vol.11-1

『職業安定広報』2007年8月号より

キャリアカウンセリングの様々な現場で活躍される方々によるリレーコラム。

キャリアカウンセリングの現場

柳 玉江氏 画像

(財)産業雇用安定センター東京事務所
キャリアカウンセラー兼コーディネーター

柳 玉江

1.カウンセラー自己紹介

 皆様こんにちは、柳 玉江です。カウンセラーに至るまでの経緯を含めて少し自己紹介をさせていただきます。
 私は学卒後、銀行に就職したのですが、当時銀行は女性が長く働ける環境になかったため、公務員を希望し、当時の東京都労働経済局に採用され、それから約30年間、ハローワークに勤務いたしました。ハローワークでは、雇用・職業安定に関する様々な職務・役職を経験し、先輩の方々からは世間に通用する職業人として育てていただきました(感謝!)。その後、平成14年に財団法人産業雇用安定センターに入職し、今まで培った職業知識と経験、カウンセラー資格を生かして現在キャリアカウンセリング業務に携わっております。私自身が2回の転職経験をしていることも現在の仕事に大変役に立ち、ふりかえってみると、キャリアの道筋がまさに「わだち」となっており、キャリア発達の事例として役立っているところです。

2.現場案内

 キャリアカウンセリングの現場として、当センター東京事務所をご案内します。昭和62年に労働省(当時)と経済・産業団体の協力で設立された公益法人で、「失業なき労働移動」を目指し、全国ネットで人と企業を結び、出向・移籍・転職の斡旋等をしています。ハローワークと違うのは離職者対策でなく、企業の在職者を対象としているところです。出向・移籍の対象者として中高年齢者が多いことから、私の担当クライエントの約80%は45歳以上の方です(50歳以上の方は約70%)。

3.相談のはじまり

 相談に来られる方は在職中ということもあり、失業した方と違い、比較的気持ちに余裕のある方が多いのですが、中には思いもかけずリストラを宣告され、動揺した気持ちを抱えてこられる方もいらっしゃいます。
 特に学卒後、会社一筋でこられた方の動揺は大きく、まず、気持ちの整理のお手伝いからはじまることもあります。中にはプライドという鎧をつけ、はじめから高圧的な態度で話をされる方もおり、より丁寧な対応が求められます。自分の動揺を見られたくないのかもしれません。
 相談はご挨拶をするところから始まります。相手の方を尊重する、丁寧であたたかい態度でいたします。立ち上がってお迎えし、「はじめまして、カウンセラーの柳と申します。どうぞよろしくお願いいたします」と深めに頭を下げ、挨拶をいたします。
 この初めの対応で、クライエントに安心感・信頼感を持っていただき、相談をスムーズに進めていくことになります。

 次回からは、中高年齢者の支援等をスムーズに進めるために重要なこと、職業相談や情報提供をする上で留意していることなどについて、事例を交えお話ししていきたいと思います。