メインコンテンツへスキップ

Vol.12-1

『職業安定広報』2007年12月号より

キャリアカウンセリングの様々な現場で活躍される方々によるリレーコラム。

就職支援シートの活用

小島貴子氏 画像

立教大学
ビジネスデザイン研究科 准教授
コオプ教育コーディネーター

小島貴子

 18年近く「働くこと」への支援を中心に仕事をさせていただいています。
 社会経済の変化と共に雇用形態も大きく変化してきましたが、仕事を探している方々に共通して見え隠れするのが、「不安」と「自信のなさ」。そして、自分自身の過去と未来を整理しきれずに、立ち止まっている方々が多いように思えます。
 「不安」も「自信のなさ」も他者からの支援・働きかけだけではなかなか解決するのが難しいものですが、「働くことへの整理と道案内」は、支援者の働きかけで格段に進むものです。その場面で、相談者と支援者が「今、私たちはこの問題を整理・解決しようとしている」という視覚的な共有を図ることがあります。
 そこで、これから4回、支援現場ですぐに使えるような簡便な「支援ツール」を紹介させていただきたいと思います。

 まず今回は<現状把握シート>についてご説明します。このシートは相談者が自ら書き込み、持ち帰るシートです。自分で書き込み自分自身の置かれている環境を整理するために使用しますので、記入内容について支援者が知る必要はありません。ここでは、自分の現況がどのようなものであるかを漠然とではなく、きちんと言語化することが大切です。それは、「なぜ働くのか?」の意味につながるからです。
 相談者に下記の内容を記入してもらい、相談者自身に現在置かれている状況を整理してもらいます。そして、このシートで現状と今後の大きな課題を相談者自身が把握することができたら、次回ご紹介する<働く能力整理>のシートを提示します。

image-3