[2訂版]コミュニケーション力
人間関係づくりに不可欠な能力
2024年9月 2訂版発行
「コミュニケーション」の心理学的原理と「こんな場面でどうしたらよいか」の対応原則を明らかにする。
――今、なぜコミュニケーションをめぐる問題が起きているのか。
――変化する現代社会の中で求められるコミュニケーション力とは何か。
――そして、日常のこんな場面でどうしたらよいのか。
心理学理論をベースに対人関係と心のメカニズムを解き明かし、原理に基づいた対応原則を提示する、理論と実践の書。
近年、ますます広範で複雑で深刻になったコミュニケーションの事態について、最近の状況も加味した2訂版(2024刊)。
目次
第1章 今なぜ「コミュニケーション力」なのか
1 コミュニケーションに何が起きているのか
(1)企業や公的機関で
(2)教育・医療・福祉の現場で
(3)地域・家庭で
2 背景には何が
(1)社会経済的な効率至上主義
(2)過剰な情報の処理
(3)権威的価値の相対化、多様化
(4)「ヤマアラシ・ジレンマ」症候群の増加
3 何が問題か
(1)コミュニケーションの効果性の低下
(2)精神的ストレスの増加
4 何が必要か
第2章 そもそもコミュニケーションとは?
1 コミュニケーションは心の世界の共有と影響関係の過程
(1)コミュニケーションを定義すると
(2)コミュニケーション定義の6つのポイント
2 コミュニケーションのらせん状プロセス・モデル
(1)基本的構成要素のプロセス
(2)「送り手」内のメカニズム
(3)「受け手」内のメカニズム
(4)らせん状のフィードバック・プロセス
第3章 コミュニケーション力のポイントは?
1 「送り手」のとき気を付けること
(1)自分の心の内面世界の意識化を
(2)「記号化」と「メッセージ」構成を適切に
(3)「メッセージ」内容に応じた適切な「表現手段」の選択
2 「受け手」が気を付けること
(1)受信の「チャンネル」の不具合
(2)「解読」の段階での不具合
第4章 コミュニケーション力向上の基本は?
1 コミュニケーションは努力して身に付けるもの
2 自分の言いたいことを相手にわかるように伝えるには
(1)うまくいかない自己表現のタイプ
(2)うまくいく自己表現のタイプ
(3)アサーティブな言い方の練習
3 相手の言わんとすることを正確に受け取るには?
(1)「聴く力」の大切さ
(2)聴く力とは
(3)カウンセラーの態度・技法の応用
(4)聴き上手は話し上手
(5)「聴くこと」の効用
(6)「聴き方」の練習
第5章 コミュニケーションするのは何のため?
1 自分の要求や期待を成就する
(1)指示・命令のコミュニケーション
(2)説得のコミュニケーション
(3)協議・交渉のコミュニケーション
(4)相談のコミュニケーション
2 相手との関係をつくり維持するため
(1)人間が関係を必要としてきた経緯
(2)対人関係の基礎にある感情の構造
(3)「好意」感情の発生条件
(4)対人関係の発展段階
(5)対人関係の発展の原動力
(6)対人関係の崩壊
3 自分づくりのため
第6章 コミュニケーション力を活かす場面
1 職場で
(1)関係づくりの難しい人とのコミュニケーション
(2)リーダーシップとコミュニケーション
(3)チームワークとコミュニケーション
2 様々な相談機関で
(1)公的機関で働く人々が直面する困難
(2)公的機関の目的の達成とコミュニケーション力
(3)利用者とのコミュニケーションの鍵
(4)特別の支援を必要とする人とのコミュニケーション
(5)他の機関とのコミュニケーション
(6)指導場面でのコミュニケーション
3 メンタルヘルス支援において
(1)メンタルヘルスとは
(2)ストレスとメンタルヘルス
(3)ストレスへの対処としてのコミュニケーション