簡便に短時間で育児ストレスを測定し迅速・的確な援助へ
PSI育児ストレスインデックス ショートフォーム
Parenting Stress Index Short Form
PSI 育児ストレスインデックス ショートフォーム(PSI-SF)は、PSI 育児ストレスインデックス(PSI)の短縮版。簡便で短時間に親の育児ストレス、親子や家族の問題などをアセスメントします。育児相談、スクリーニング、診断、治療計画、研究用具としてご活用いただけます。
種類 | 育児ストレスチェック |
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目的 | 親の育児ストレス状況を短時間に明らかにし、援助の必要なケースを早期に発見する治療計画や介入の指針を得る 実施対象者が、自らの育児を再認識し、ストレスを緩和するきっかけとするため |
販売対象 | 保健所、保健センター、育児支援機関、教育・研究機関、医療機関等 |
実施対象 | 生後3ヵ月から3歳までのお子さんを育てている方 |
場面 | 育児相談、スクリーニング、診断、治療計画、研究用具 |
形式 | ペーパー版 |
所要時間 | 約3分 |
注) アセスメント・ツールの購入には会員登録が必要です。新規会員登録は「会員のご案内」よりお願いします。すでに会員の方は、ご希望商品の「カートに入れる」ボタンをクリック後に表示される画面よりログインしてください。
なお、個人の方への販売は行っておりません。
PSI-SFの活用
実践での活用
PSI-SFは、PSI を使用した保健師や臨床の看護師より、1歳6ヵ月健康診査などの場面で簡便で短時間にアセスメントできるツールとしてPSI の短縮版を望む声が多かったことから開発されました。PSI-SFの実践での活用は、PSI に準じて行うことができます。
PSIの目的は、親に対して指導とサポートの必要性を明確にすること、潜在的な機能不全の親子関係を明らかにすること、情緒的、身体の発達的問題を起こすリスクにある子どもを明らかにすることにあります。PSIは治療計画ツールや評価手段の方法として、また個人あるいは集団介入に有効です。(治療計画には、各側面と下位尺度を用いて、問題の領域を明確にすること、親にとってストレスフルにならないように問題に対する介入を明確にすることが含まれます。)
具体的には、以下の三つの方法として実践でご活用いただけます。
- 大きな集団からのスクリーニングやトリアージ*として
- 最初の入り口評価(測定用具の取り入れ)として
- 個人個人の臨床評価の一部として
* 緊急度や重症度の判定を中心とした治療優先順位の選別。
研究での活用事例
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育児期女性の日常生活における時間の使い方・育児支援活用と育児ストレスの関係
(2020年岡山県立大学保健福祉学部紀要 26巻) -
1歳6か月児健診を受診する母親の育児ストレスの分析 日本版Parenting Stress Index-Short Formの自由記載に基づいて
(2020年千里金蘭大学紀要 17巻)
PSI-SFの構成
PSI-SFの19の質問項目は、<子どもの側面>9項目、肯定的な2項目を含む<親の側面>10項目から構成されています。
検査時間は3分程度です。
検査の流れ
検査の実施
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実施
質問・回答用紙(PSI育児支援アンケート ショートフォーム 1枚目)
対象者は、19の質問に「まったく違う」~「まったくそのとおり」の5段階で回答します。回答後は「ワークブック」を用いてセルフチェックを行います。
集計、プロフィール作成とアセスメント、援助
集計・プロフィール用紙(PSI育児支援アンケート ショートフォーム 2枚目)
「質問・回答用紙」にて回答が終わったら、複写式になっている2枚目「集計・プロフィール用紙」のみ提出してもらいます。1枚目は、対象者の手元に残します。
支援者は、2枚目の「集計・プロフィール用紙」で子どもの側面の計と親の側面の計を計算して記入し、プロフィール表で各スコアに相当するパーセンタイルにプロットします。プロフィール表をもとに対象者の育児ストレスの特徴をアセスメントします。
アセスメントを活用した育児相談の具体的な援助マニュアルが手引に掲載されており、支援者に役立ちます。

対象者のセルフチェック
ワークブック
対象者本人は、「質問・回答用紙」1枚目の結果をもとに「ワークブック」でセルフチェックします。「ワークブック」では、回答傾向のタイプ別のアドバイスと各質問についての解説によって、育児ストレスとうまくつきあっていき、ストレスや不安を少なくするためにどうしたらよいか、本人が考えるヒントにすることができます。
結果について気になることがあった人には、相談の機会を設けたり、あるいは相談できる専門家や機関を紹介するようにしましょう。

手引 (2訂版)
「手引」は、開発者Richard R. Abidinの書き下ろしの序文をはじめ、原版PSI 3rd Editionのマニュアルの概念枠組みの訳出、PSIの開発の過程や概念についての詳説、また、日本版PSIと日本版PSI−SFの信頼性・妥当性、およびスコア、使用方法に加えて、ソーシャルサポートとの関連や様々な対象のスコアとプロフィールを掲載しています。 日本版著者らが15年以上取り組んできた研究の成果であり、研究・臨床、支援の場で活用する際の必携資料です。
2訂版では、ニーズの高まりに応え、これまで付録として扱われていたPSI−SFの内容を第Ⅱ部として掲載し、さらに、健康児、肢体不自由児、発達障害児、アレルギー疾患児、心疾患児、双胎児をもつ親、父親など、様々なスコアとプロフィール、援助のポイントを新たに収録。第Ⅰ部には、日本版PSI(78項目)の下位尺度の英文表記も追加しました。
■目 次
はじめに/2訂版について/日本版PSIへの序(Richard R. Abidin)
第Ⅰ部 PSI 育児ストレスインデックス
第1章 | 原版Parenting Stress Index 概念枠組み/Parenting Stress Index の構成:側面と下位尺度 /信頼性・妥当性/実践での活用/PSI 原版(PSI-3版)101項目/PSI-4版について |
第2章 | PSI育児ストレスインデックス──日本版Parenting Stress Index── 日本版 PSIの開発と信頼性・妥当性の検討/使用方法──回答・集計・プロフィール作成の方法/標準スコアと各県のスコアの特徴/PSIスコアと関連要因/様々な対象のPSIスコアとプロフィール/日本の先天性疾患患児の母親のPSIスコア |
第3章 | PSIとソーシャルサポート PSIとソーシャルサポート/PSIとソーシャルサポートを用いたアセスメントと介入 |
第Ⅰ部 | 参考文献 |
第Ⅱ部 PSI 育児ストレスインデックス ショートフォーム
第1章 | PSI 育児ストレスインデックス ショートフォーム──日本版 PSI-SF── 日本版 PSI-SF(19項目)の開発と臨床への応用 /使用方法──回答・集計・プロフィール作成の方法と「ワークブック」の活用 |
第2章 | 様々な対象の日本版PSI-SFスコアとプロフィール 健康児/障害児/発達障害の子ども/早期療育の場/アレルギー疾患/心疾患/双胎/父親のデータ |
第3章 | 日本版PSI-SFを用いた育児ストレスを軽減する援助(プログラム) 基本的な考え方/健康児(1歳半)/障害児 /発達障害の子ども/アレルギー疾患/心疾患/双胎/PSI-SFと家族 |
第Ⅱ部 | 参考文献 |
資料 PSI Short Form(Abidinの原版 36項目)
■著 者
兼松百合子(岩手県立大学名誉教授) 浅野みどり(名古屋大学大学院教授)/荒木暁子(千葉県千葉リハビリテーションセンター看護局長)/荒屋敷亮子(千葉大学医学部附属病院看護師長)/市原真穂(千葉科学大学講師)/大橋幸美(日本福祉大学准教授)/佐藤奈保(千葉大学大学院准教授)/白畑範子(岩手県立大学教授)/奈良間美保(名古屋大学大学院教授)/廣瀬幸美(横浜市立大学教授)/古田恵香(名古屋大学大学院助教)/丸 光惠(甲南女子大学教授)/山口知香枝(名古屋市立大学講師) ※五十音順/所属・肩書は執筆当時のものです。 |
■原著者 Richard R. Abidin(Virginia大学名誉教授)
「PSI を推薦します」
名古屋大学医学部保健学科
浅野みどり教授
超少子高齢化の日本で、今、子育て中の母親たちには、“物質的に恵まれた”“情報社会”という現代だからこそ抱える育児ストレスがあります。本ツールと手引書は、米国のAbidin博士により開発されたParenting Stress Indexを、兼松百合子教授を中心に研究・検証を重ねてこられた集大成であり、日本の文化に適合し、信頼性・妥当性を備えた精度の高い育児ストレス尺度です。ストレスレベルだけでなく、どの領域に由来するストレスかを詳細にアセスメントできるため、危機的状況への効果的な介入、予防的介入の焦点化には不可欠です。健常児だけでなく、慢性疾患や発達障害をもつ子どもにも用いられ、その特徴を知ることができます。
教育・研究機関における研究調査等でPSI、PSI-SFのご利用をお考えの方へ
PSIまたはPSI-SF(オリジナル検査用紙)を実施人数分ご購入いただき、ご購入いただいた心理検査の用紙を使用して研究調査を実施される場合は、研究内容を問わず、当会にご連絡をいただく必要はございません。
※PSI及びPSI-SFは、個人の方への販売は行っておりません。
基本的に育児支援機関、教育・研究機関、医療機関等への販売となりますので、ご注文者は上記機関(お申込み住所、納品先等)であることをお願いいたします。
※いかなる場合でも、心理検査を複製・複写することは認められませんのでご了承ください。
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