Vol.27-2
キャリアカウンセリングの様々な現場で活躍される方々によるリレーコラム。
コロナ禍における学生とキャリア支援の変化について

株式会社キャリアボット 代表取締役社長/株式会社岡崎人事コンサルタント 取締役社長/東京都立産業技術大学院大学 特任准教授
岡崎浩二
前回お伝えしたとおり、コロナ禍は、若者たちに多大な影響を与え、大学キャリア支援の現場においても新たな挑戦が求められています。経済的な不安、人間関係の希薄化、オンライン授業の影響といった問題は、学生たちの生活に深刻な変化をもたらしました。同時に、学生たちのコミュニケーションスタイルや職業観にも変化が見られます。
このような状況下、キャリア支援の現場ではどのような取り組みが必要か、実際の事例を踏まえて検討していきたいと思います。
心理的なサポートの強化
人間関係の希薄化やオンライン授業の長時間化がもたらす心理的な問題に対しても、適切なサポートを提供することが重要です。キャリアセンターや学生相談室におけるメンタルヘルスのサポート体制の強化、カウンセリングサービスの拡充、心理的な負担を軽減するためのワークショップやセミナーの開催などが考えられます。
実際の事例として、WEB会議ツールを使って、同じ悩みを持つ学生同士で意見を交換する場を提供したところ、学生たちからも非常に評価も高かったです。この取り組みでは、キャリアコンサルタントである私と大学職員の方の2名で開催しています。キャリアコンサルタントと大学職員という職種の違うスタッフがいることで、学生たちには就職やキャリアに関するアドバイスだけでなく、学生生活に関するアドバイスも可能になります。
デジタルコミュニケーションの活用とオフライン交流の機会提供
デジタルネイティブな学生たちが主流の現在、彼らに合ったキャリア支援方法を考えることが重要です。
まず、学生たちが日常的に使用しているLINEやSNSなどのデジタルツールを活用し、彼らに情報を提供したり、キャリアに関する相談を受けたりすることが有効です。これにより、学生たちは気軽にキャリア支援サービスにアクセスできます。また、オンラインでセミナーやワークショップを開催することで、場所を選ばずに学生たちが参加できる機会を提供できます。
特に注目されるのが、チャットを利用したキャリアカウンセリングです。チャットカウンセリングは、学生たちにとって馴染み深いコミュニケーション方法を用いるため、気軽に相談できるという大きなメリットがあります。また、チャットでのやり取りはテキストデータとして残るため、相談内容を後で振り返ることができるという利点もあります。これは、キャリアの選択や決断をする際に非常に役立ちます。
チャットカウンセリングに加えて、よくある質問に自動で回答してくれるチャットボットを併用することで、カウンセラーの負担も減らすこともできますし、24時間簡単な質問に対して学生が相談できる体制も整えることができます。チャットボットに関しては、最近ブームにもなっている生成AIを活用することで、より柔軟に回答してくれるサービスを低価格で開発できるようにもなりました(就職・キャリア支援における生成AIの活用については、今後触れる予定です)。
一方で、デジタルコミュニケーションだけではなく、対面での交流も大切にしています。対面でのキャリア相談や、小規模ながら実際に会って行うワークショップ、インターンシップの機会を提供することで、学生たちはリアルな人間関係を築く機会を得られます。このバランスが、学生の多様なニーズに応えるためには重要です。